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エスケー化研株式会社

―大変なピンチですね。

 ライバル企業から「エスケー化研は倒産するんちゃうか」とも揶揄されました。そうしたなか、私は問題のあったすべての現場に対して、全額補償を約束。そのうえで、修復してまわったんです。その償いは、2年ほど続きました。

 結果、なにが起こったかというと、当社の信頼性が以前より向上したんです。「エスケー化研は逃げることなく謝罪し、調査・補償のうえ、無料で修復してくれる」と。あのクレームがあったからこそ、現在のわれわれがあると思っています。それ以降、よりよい商品を研究開発する体制づくりを徹底しました。

社員を大切にしてきたから 継続成長できた

―経営者として心がけていることはありますか。

 「世の役、人の役に立つことをしっかりとやっていくんだ」という強い信念をもつことです。経営を続けていれば、悩んだり迷うこともあるでしょう。早く会社を成長させたいと焦ったりもする。そんななかでも、決して信念は曲げないことです。

 また、基本的ですが、社員を大事にしています。当社の方針は「全社員で会社を大きくしていこう」。そのためには、社員がヤル気をもって働ける環境をつくることが重要です。そこで、「全員参加の経営」という企業方針を明確に打ち出しているほか、7月と12月にくわえ、6月にも利益に応じて決算賞与を支給する制度を実施しています。

―そのほかに社員のモチベーションを上げる取り組みはありますか。

 がんばった社員は必ずほめています。たとえば、毎年の「経営方針発表会」で、前年度に貢献した社員をその場で盛大に表彰しています。表彰者が多く、私が表彰状を読みあげるだけで1時間半ほどかかってしまいますが、その間、声がかれても途中で水は飲みません。海外の社員に対しては、英語や中国語で読みます。

 ほめる行為は単に口頭で伝えるだけではダメ。本当に感謝の気持ちをもって、トップ自らがハレの舞台で称えることが大切です。こうした地道な取り組みも、当社が躍進できた要素だと思います。

プロフィール

藤井 實(ふじい みのる)プロフィール
1932年、兵庫県生まれ。1955年、22歳で四国化学研究所を創立。1958年、株式会社四国化学研究所に法人改組し、代表取締役社長に就任。1991年、社名をエスケー化研に改称。1994年、ジャスダックに株式を上場。1970年代からアジアへ進出し、約30ヵ国で同社製品が使われている。建築仕上塗材の国内シェアNo.1企業を一代で築きあげた。一般社団法人日本建築材料協会会長などの要職を歴任し、2000年に黄綬褒章、2014年に旭日小綬章を受章。

企業情報

設立 1958年4月
資本金 26億6,200万円
事業内容 建築仕上塗材事業、耐火断熱事業、その他 
URL http://www.sk-kaken.co.jp/