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株式会社ブイキューブ

―アジア新興国の中には外資規制が厳しい国も多いと思いますが、そこはどうですか?

 もちろん外資規制については国ごとに違いますし、時期によって都度内容も変わってくるので一概には言えませんが、最近は各国とも外資規制が緩くなってきている印象がありますね。

 特にマレーシアは経済発展してほとんど先進国並みになってきているので、すでに外資100%の子会社を設立できますし、かなり外資規制自体も緩くなってきています。しかしタイでは業種によるものの外資企業は過半数の株式を持てないなど外資規制があり、中国も会社の設立自体はできますが、営業するのに免許が必要です。インドネシアは弊社の場合は95%の株式を持てましたが、営業ライセンスを取得するのに数か月かかりましたね。

 業種や時期によって外資規制は変わってくるので、細かいことはぜひ専門家の方に聞いてみると良いと思います。

アジアでビジネスをする ということ

―実際にアジアでビジネスをしてみて、日本との違いなどはありますか?

 それはもう全て違いますよ(笑)。まったく違う。日本の感覚で仕事をしていては仕事になりません。アジアで仕事をしてみて感じたのは、日本人の丁寧さ。改めてそこを痛感しました。一概には言えませんが、アジアでは結構いい加減な仕事を平気でする人が多い(笑)。

 日本はある程度みんな同じ考え方をベースに仕事をすることが可能ですが、アジアで阿吽(あうん)の呼吸などは通用しません。みんなベースとなる文化や宗教が違うので、以心伝心などは有り得ないんです。きちんと意思表示してコミュニケーションをとらなければいけません。

 また、弊社のサービスに関していうと、まだアジア新興国は啓蒙段階です。「なぜWeb会議が必要なのか」から説明して納得してもらわないといけない。日本国内ではリーマンショックがきっかけとなり、Web 会議に対する理解と利用が進みました。出張費を削減しなくてはいけなくなったので、日本企業がWeb会議を積極的に利用するようになったんです。アジア新興国でも、今後ジワジワとWeb会議が広がっていくと思います。

―現在、間下さんはほとんど日本にいないそうですね

 日本には月に1回程度1週間くらい滞在しています。ですので全体の4分の1くらいですかね。日本にいなくてはできないことだけを、日本滞在中に集中的にこなしている形です。たとえば社員とじっくりと話し込んだり、銀行を訪問したりなどですね。それ以外はほとんどシンガポールなどからWeb会議を通じて対応し、事が足りています。

鍵は日本本社からの 本気のサポート

―これからアジア進出を検討している日本企業にアドバイスをください。

 すでに日本にある程度のしっかりした事業基盤を持っている会社なら、トップ自らアジアに引っ越すのがいいと思います。海外でビジネスをするというのは、ゼロイチでビジネスを立ち上げるということです。非常に難易度が高い。トップ自らが乗り込んでガッツリと真正面から取り組まないと成功しないと思います。

 またその時に大事なのが本社からの本気のサポート。本社が全面的にバックアップする体制がないといけません。日本は日本で日々大変だと思いますが、そんな中でも日本本社の本気を引き出し、本社を巻き込んでいかないといけない。やはりそれができるのはトップしかいません。

―最後に今後の御社のビジョンを教えてください。

 ビジョンは「アジアNo1.のビジュアルコミュニケーションのプラットフォームをつくる」です。Web 会議などのビジュアルコミュニケーションはまだアジア新興国では啓蒙段階ですが、それを当たり前の文化にしていきたいと考えています。

 先ほども言いましたが、この分野は、世界全体のマーケットにおける北米マーケットの割合が大きい分野です。しかし今後アジア経済が成長して、世界経済の中で欧米に代わってアジアが主役となれば、弊社がそのままこの分野で世界No.1となる日も来ると考えています。現在日本国内でシェアNo.1の弊社が、今後はアジアでもシェアNo.1を不動のものとし、いつか世界シェアNo.1になりたいと思います。

プロフィール

間下 直晃(ました なおあき)
1977年、東京都生まれ。2000年3月に慶應義塾大学理工学部を卒業、2002年3月に慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻を修了。慶應義塾大学在学中の1998年10月に有限会社ブイキューブインターネットを設立し、同社CEOに就任。2002年に学校法人慶應義塾とTLO(技術移転機構)を利用して資本提携。2006年4月に株式会社ブイキューブに社名変更し、同社CEOに就任。2013年12月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。経済同友会 幹事。

企業情報

設立 1998年10月
資本金 18億5千万円(2015年1月現在)
従業員数 310名(グループ合計)
事業内容 ビジュアルコミュニケーションツールの企画・開発・販売・運用・保守、企業などへのビジュアルコミュニケーションサービスの提供
URL http://jp.vcube.com