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Yelp(イェルプ)

―なかには目先の利益に飛びついてしまう経営者もいると思いますが。

確かにキャピタルゲインを得るという選択肢もありましたね。では、もっと根本的な話をしましょう。私は『Yelp』の買収話があったとき、すでに世の中に大きなインパクトを与えられるようなビジネスになると確信していました。というのも、地域のお店を探すのにいいサイトだという評判が広がっていたからです。投資も引き続き受けられる状態で、財務状況も良好。そのため、目先の利益に惑わされることがなかったんです。

「成功=利益を得る」という考えもあります。ですが、私にとっては世界に大きなインパクトを与えるビジネスをしたり、すばらしいチームをつくったりすることのほうが重要でした。Google 社から買収の話が持ち上がったときには脅威を感じたというよりも、「これほど注目されるなら、このビジネスは必ず成功する!」という確信を持つきっかけになったのです。

技術革新に対応するため製品に絶えず触れることが重要

―ジェレミーさんが経営において重視しているものはなんでしょう。

経営において一番時間を費やしているのは、「製品の企画・開発」です。私はエンジニア出身なので、すごいスピードでテクノロジーは日々進化していることを知っています。経営者として正しい判断をするためには、つねに製品に触れていないと、技術革新の波に乗り遅れてしまう。そうならないためにも、企画・開発する時間は重要だと感じています。

もうひとつ重要なことは、エグゼクティブチームに厳しい評価ができる優秀な人材を配置することでしょう。なにか問題が起こったとしても、正しい人材を正しいポジションに配置しておくことで、正しい処理ができると感じているからです。今後もこれまで以上にチーム力の強化に努めていきたいですね。

アジア進出において日本は重要な拠点である

―今後のビジョンを教えてください。

現在、日本を含めると世界28ヵ国に進出し、月間のサイト訪問者数は平均1億3,800万人。そのうちモバイルデバイス経由の訪問者は、月間約6,800万人にもおよぶサイトに成長。欧米ではすでに大きなインパクトを与えていると感じていますが、さらにサービスを広げていきたい。アジアではすでにシンガポールに進出していますが、これから日本はアジア圏内における重要な拠点になるのは間違いないでしょう。

欧米ではApple社がSiriやApple地図のなかに『Yelp』情報を組み込んで表示しています。日本ではまだどうなるかはわかりません。しかし組み込まれるようになれば、日本でも人気が広がるでしょう。

―最後に、学生や若手起業家に向けてメッセージをお願いします。

成功するためにアドバイスは2つあります。ひとつは、ニッチな市場よりもより大きな市場を選んで進出すべきということです。『Yelp』も『Yellow Page』のネット版の先駆者になることで成功することができ、世界進出も実現できたのです。

もうひとつは、どんな事業でもいいから、とにかく自分が夢中になって取り組めるものを見つけるということです。みなさんが考えている以上に、ビジネスを成功させるのには時間がかかります。かくいう私も『Yelp』にこれまで10年という歳月を費やしていることからもおわかりいただけると思います。ぜひみなさんも夢の実現に向けて、リスクを負うことを恐れずにチャレンジしてください。

プロフィール

ジェレミー・ストッペルマン(Jeremy Stoppelman)プロフィール
1977年、米国バージニア州生まれ。イリノイ大学卒業後の2000年に PayPal(ペイパル)に入社し、エンジニアリング担当の副社長に就任。2004年、PayPalで同僚だったラッセル・シモンズと共同で イェルプを設立しCEOに就任。

企業情報

設立 2004年7月
資本金 5,600万ドル
従業員数 約2,000名
事業内容 クチコミローカル情報サイト「Yelp」の運営・管理
URL http://www.yelp.com/