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App Annie

アプリの市場データを提供する、調査・分析会社App Annie(アップ アニー)。創業以来、世界No.1のアプリ調査会社として君臨している。日々、420万のアプリランキングをトラッキング。上位100位のアプリパブリッシャーの90%が、同社サービスを利用中だ。CEOのバートランド・シュミット氏は、モバイルインターネット業界で多くの会社の重役を歴任してきた気鋭の人物。同氏に、起業の経緯や今後の展望などを聞いた。
※下記はTech通信Vol.1(2014年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


世界的な成功の秘訣はアグレッシブな行動力

―会社を創業した経緯を教えてください。

きっかけは4年ほど前。モバイルインターネットの世界がアプリに移行していくトレンドを強く感じたことでした。そこでビジネスを始めるにあたり、アプリの有効な情報を探し始めたのです。けれども、どのサイトやサービスを見ても、自分が求めるアプリの情報が見つからなかった。そこで、有益なアプリ情報を提供していこう、と思いついたのです。

―御社はグローバルアプリ分析のトップ企業に成長しました。その秘訣はなんでしょう。

まずは、よいチームをつくれたこと。メンバーに関しては、当初からとてもグローバルでした。アメリカだけでなく、日本や北京、ヨーロッパ各国からも、優秀な人材を探し出してきたのです。経験や技術だけでなく、小さくも大きくもない当社のサイズにフィットする人材、という部分も重視しました。いまでも、採用を決める際には私が実際に会って話をしていますよ。

もうひとつ忘れてはならないのは、とにかくアグレッシブに動き続けてきたという点。アプリのマーケティングを手がけていた会社は、当時はまだありませんでした。そのため、当社の認知度が一気に上がった。その勢いを失わずに、使うべきところにお金をつぎ込んで、成長スピードを加速させたのです。

資金調達が順調にいけば、優秀な人材も集まってくる。すると質のいいプロダクトを送り出せる。結果、顧客からの信頼も得られるのです。

今後もWebサービスはアプリを中心に発展する

―グローバルアプリ分析の第一人者の立場から、現在注目のアプリ、そして今後伸びていきそうなアプリについて教えてください。

『 LINE』や『KakaoTalk』といった、メッセージ分野のアプリが優勢ですね。とくに日本や韓国、中国といった東アジアでの人気が高いです。アメリカやヨーロッパでももちろん人気ですが、音楽アプリといったエンターテイメントアプリと人気を二分しています。

大きなトレンドとしては、これまでWebサービスで行われていたことが、どんどんアプリ化されているということ。この動きは、さらに加速すると思います。近い将来、ショッピングや旅行といったEコマースも、アプリに移行していくでしょう。キャッシングやショッピングに関する新しいアプリが増え、生活はより便利になっていくはず。またGoogleの自動運転のように、自動車関連のアプリも、どんどん進化していくと思います。