【ベトナムで新規事業を立ち上げ、成功させる】

―梅田さんは、まずベトナムでオフィス向けのカタログ通販「ニャンニャン」を立ち上げたんですよね？

　そうです。2006年に日本でいうアスクルと同じモデルを、ベトナムで立ち上げました。今では2200社もの企業が顧客になってもらっています。半数は日系企業、残り半分はローカルと日本以外の外資企業です。ご注文を頂いた場合、一部地域を除いて翌日に配送、送料無料のオフィス向けカタログ通販事業です。

　ここまで顧客が拡大したのは実はベトナムならではの事情があるんです。ベトナムでは、企業の購買担当者が購買先から個人的なリベートをもらうことが多い。しかしニャンニャンを使えば、購買担当者は不正ができなくなる。つまりニャンニャンが不正防止に一役買っているんです。

【ベトナム進出、成功するポイントと失敗するポイント】

―話は変わりますが、日本企業がベトナム進出において成功するポイント、失敗するポイントを教えてください。

　成功するポイントは地味に正しいことをコツコツやるということ。日本で当たり前にやっていることをベトナムでも当たり前にやる。そこに尽きると思います。特別なことなんてそんなにありません。あまり欲を出さずにコツコツとやることが基本だと思います。

　失敗するポイントとしては、進出してくる前によく調べないということですね。進出前にちゃんと調べることが大事だと思います。進出コンサルタントの中にはいい加減なところもあります。そういうところに騙されずに、自分で何回もベトナムに来て、いろんな人に会ってちゃんと調べることです。また事前の調査費などはある程度使った方がいいと思います。ベトナムの法制度などをしっかりと調べて、法律的に正しいことをするべきです。変に抜け道を探しても、最終的に当局に指摘されて、事業撤退もありえます。そうならないためにも事前にちゃんと調べて、正しい形で事業を運営することです。

―最後に今後の御社のビジョンを聞かせてください。

　将来的に、ベトナム全土にもっと日本の商品を多く届けていきたいですね。ベトナムでは日本ブランドは印象が良いです。テレビなどの分野ではソニーブランドも依然として強く、ベトナム人は基本的に親日的です。なので、日本企業は自信を持って、果敢にベトナム市場にチャレンジしてほしい。そのお手伝いを弊社も全力でしたいと考えています。