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柔軟性と多様性をもつ人材が、競争力の源泉

―買い手側に対するスタンスについてはいかがでしょうか。

 当社は創業以来、首尾一貫して「どうすれば顧客(買主)に喜んでもらえるか」を追求しており、そのスタンスはいまもまったく変わっていません。顧客満足度を上げることに徹底的にこだわり、「物件価格以上の価値を感じてもらえる」ための取り組みに注力すること。それを徹底してきたのです。何も特別なことをするのではなく、お客さまが困っているどんな小さな事柄もおろそかにしない。日々の細かなフォローを実践し、解決に向けて労を惜しまないことが、物件に対する安心感につながります。
 不動産ビジネスにおいて、「安心感」は確かな価値につながります。一人ひとりのお客さまに妥協なく向き合うプロセスが、安心感という最上の価値を提供することに結び付く。そうしたスタンスを妥協なく持ち続けることを大事にしてきました。

―なぜ、それができるのでしょう。

 サービスを提供していく社員個々のスキル、つまりは人材が圧倒的に成長しているからだと思います。
 海外の顧客を相手にするには、多くの難しさがあります。国が違えば文化や商習慣は異なり、法体系や税制も各国独自のものがあり、見知らぬ海外に不動産を所有することで生じる顧客の心理的不安やコミュニケーションギャップへの配慮も必要です。こうした事情に精通した、クロスボーダー取引のプロフェッショナル人材がそろっているのが当社の強みなのです。
 当社の社員は、海外の人たちが文化も言葉も通じない、法律も違うところに大きな資金を投資する際に、どのようなサポートが必要なのかをよく分かっています。当社社員の4割は外国籍で、さらに、ほとんどの社員が留学や仕事を通じて海外で暮らした経験があります。身をもった体験は、顧客の想いを汲み取る深さをまったく違うものにします。年齢層も20代から60代まで幅広く、それぞれの専門性をもっている人材がそろっていることが、当社の「競争力の源泉」と言えるのです。

―具体的にはどのような人材がそろっていますか。

 ひと言でいえば、「多様性」と「柔軟性」をもった人材ですね。多様性を理解でき、それを前提に行動できる社員がそろっています。多様性とはすなわち、さまざまな「違い」があることです。違いを認めて柔軟に受け入れる。当社の社員は、そうした価値観を当たり前のように共有しています。だから、さまざまな価値観をもつ海外の顧客を相手に、臨機応変な仕事ができるのだと思っています。
 私自身、それぞれの社員がもつ多様性や柔軟性を大事にしたいと考えています。コンサルタントとしてのレベルは非常に高く、各々が圧倒的な成長を果たしてくれているので、「会社は勝手に成長している」と感じるくらいです。私自身が、「その成長についていけているかな」と不安になるほどですよ(笑)。