―そうなんですか!それは驚きですね。
私自身も月に1週間弱くらいしかフィリピンにはいませんし、代表の加藤も月の半分くらいしかいない。あとは管理部門の日本人スタッフがたまに来るくらいです。
ですので、フィリピンオフィスはほぼ完全にフィリピン人の方達に任せ切っている状態です。私たちはそちらの方が良いと判断しました。完全に現地のフィリピン人の方に任せて、彼らに主体的に考えてもらった方が良いと判断しました。私たちはフィリピン人スタッフを、雇用する側、される側というよりも完全に対等な関係だと考えているんです。
【フィリピンの現地マネジメントについて】
―フィリピンのマネジメントは日本のマネジメントとどんな違いがありますか?
たとえば人前で叱らないこと。フィリピン人はプライドが高い方も多いので、人前で叱ったりするのはダメです。
また家族を非常に大切にする国民でもあります。人と人とのつながりを重視するんです。弊社でも社員旅行や社員の誕生日、そしてクリスマスパーティーにはとても力を入れています。イベント事はとても大事なんです。
―フィリピンで日本企業がビジネスするうえで、逆に失敗するパターンついて教えてください。
やはり日本のやり方をそのまま押し付けるとうまくいかないと思います。またフィリピンでは予想外のことも起こるので、リスクは常にいろんなところに潜んでいます。たとえば店舗のオープンも、ほとんどが予定通りにいかないと聞きます。また日本では有り得ない話ですが、自分のお店が知らぬ間に勝手に売りに出されていたなんてことも聞いたことがありますね。
【フィリピンでビジネスをするのは本当に無謀なのか】
―フィリピンでのビジネスは無謀だと言う人もいるようです。
私は無謀とまでは思いません。実際にうまくいっている人も多いですよ。しかし、先ほども言いましたが日本では考えられないことが起こるのも事実です。私がフィリピンでビジネスを始めた時に、フィリピンの銀行の方に言われたのが、「こっちの日本人に気をつけろ」ということ。つまり、「フィリピンにいる日本人の中に怪しい人もいるので気をつけろ」ということです。
でも過度に気にすることもないと思います。いつの時代もどの国でもビジネスにリスクは付き物です。そこで尻込みしていては、チャンスを逃すこともあります。事実、ここ最近のフィリピン経済は非常に好調です。街はすごいスピードで発展しています。マニラのマカティやボニファッシオなどの地域は毎日のように新店がオープンして、価格帯も東京と同じくらいになり、それに合わせてサービスの質も日に日に高くなっています。
―フィリピンでビジネスチャンスは大いにあるわけですね。
リスクもあるけど、チャンスも大きい。GDPの伸びもすごいですしね。日系の飲食店もここ2年くらいですごく増えましたよ。ラーメン、トンカツなど一気に増えた。フィリピンでは和民や牛角、ユニクロなども進出してきて、人気があります。