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青山綜合会計事務所シンガポール

東南アジアへ進出する日系企業に会計・税務を中心としたサポートを提供している青山綜合会計事務所シンガポール。既に多くの競合他社がいるシンガポールで会社を設立したにもかかわらず、右肩上がりに成長を続けている理由は何か。27歳という若さで東京事務所のパートナーとなり、シンガポール事務所を立ち上げた代表の長縄氏に話を伺った。


海外進出するお客様と共にシンガポールへ

―御社の事業内容を教えてください。

青山綜合会計事務所は、監査法人トーマツに所属していたメンバーが1999年に独立して作った事務所です。そこで海外へ進出するお客様をサポートする事業を行っていた私が、2012年に青山総合会計事務所シンガポールを立ち上げました。
現在50名の社員とともに、シンガポールを含む東南アジア全域で日系企業に対する海外進出サポート、会社設立、銀行口座の開設、ビザ申請、その後の記帳業務、税務業務など会計業務全般のアウトソース及びアドバイザリー業務を請負っております。

―長縄代表のご経歴をお聞かせください

大学を卒業した年に公認会計士に合格し、1998年に監査法人トーマツに入社しました。トータルサービス部という、IPOを目指す会社をメインにサポートする部署で3年勤務し、その後、2001年に青山綜合会計事務所にジョインしました。
当時、東京オフィスは環境に恵まれて急成長できた時期なので、開所時の3名から7年後には100名を超える事務所になりました。そうしたなか、最初から在所する3名が権限を持ってまとめていく必要があるので、私が27歳のときに役員になりました。そして2012年にシンガポール事務所を立ち上げ、現職に就いています。

―シンガポールへの進出の背景について、お聞かせください

東京の事務所で、海外進出の支援を始めましたが、日本にいると現地の実務がわからず自分のアドバイスが実行可能なの内容なのか自信が持てず、お客様が真に求める信頼度の高いアドバイスができないと感じていました。私のモットーは「実務に根差した実現可能なアドバイス」なので、お客様のために海外に出ようと決めました。当時は中国に関連する問い合わせが多く、中国への進出も検討しました。しかし、当時は東南アジアへの機運が高まりつつある時期でもあったうえ、担当していた海運業界のお客様がシンガポールへの進出を希望されたこともあり、当社もシンガポールへ進出することにしました。

―進出当初から事業は順調でしたか。

最初の3年は非常に厳しい状況が続きました。シンガポールには既に、長く専門家として活躍されている会計事務所さんが多数ありましたので、見積依頼をいただいても、なかなか当社を選んでいただけませんでした。そこで、「なんでもやっていこう」、「1件でも多く実務経験を積み、実績を増やそう」と、地道なことも含めて取り組みました。専門家として大事なことは「長くこの地にいてコミットすること」だと私は思っています。そのために最初は自己投資の時期と捉え、収益性は別として経験を積むことを優先し、ひたむきに努力した3年間でした。