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CROSSCOOP SINGAPORE PTE.LTD

【進出成功のカギは「人材」、「本社理解」、「現地PR」、「パートナー選び」の4つ】

―庄子さんは数多くのアジア進出の事例を見てきたと思うのですが、成功する企業と失敗する企業のパターンなどがあれば教えてください。

やはり進出するうえで、誰に任せるかが一番大事だと思います。“人”です。成功するかしないかの半分から7割くらいはここにかかっていると言っても過言ではありません。

―たとえばどんな人材ですか?

まず素直で何でも吸収する人ですね。プライドが高く、順応性に欠ける人だと厳しいですね。日本では大企業でもアジアに来れば無名のベンチャーと同じです。日本でいくら実績があるからと言っても、アジアでは通用しません。

また積極的に開拓精神のある人。がむしゃらに動いて突破力のある人材が向いていると思います。パーティーやセミナーに積極的に顔を出してチャンスを自ら創りだす。そうしたチャンスを少しずつモノにして、小さな成功を積み重ねていく。そのようにして地道にやり続けられるような人材が、設立当初は貴重だと思います。もちろん事業が大きくなれば経営能力や経営センスが大事になりますが、まずアジア進出の第一歩目は「素直で何でも吸収して、積極的に動き続ける突破力のある人材」が大事になると思います。

―なるほど。やはり進出成功のカギは人材によるところが大きいわけですね。他には成功要因として何かありますか?

他にあるとすれば、日本本社からの支援の度合いですね。日本本社の理解なくして、海外展開はうまくいきません。海外事業というのは半年から1年は赤字になることも覚悟しなくてはいけません。こういった中で、本社がただ数字を詰めるだけだと、海外で頑張っている人はつらくなる。徐々にお互いの心が離れていって、うまくいかなくなります。どれだけ本気で日本本社が理解して支援してくれるかは大きな要素です。本社からの人材面や資金面での手厚いサポートがあって、海外進出も成功するんです。

そして、次に大事なのが、自社をPRしたり、自社の情報を積極的に発信し続けることです。食品メーカーさんなどに多いのですが、営業の方が現地のスーパーに売り場を確保して、そのまま置いているだけというケース。まず売り場を確保するのは大事ですが、その後のフォローが一体となっていないと軌道には乗りません。フェアやキャンペーンを仕掛けたりして、積極的に現地マーケットに浸透させることが大事なんです。そこをないがしろにしているケースをよく見かけますね。非常にもったいない。

そして最後にパートナー選びの重要性。シンガポール以外の国ではたいていは外資規制があるので、現地パートナーと組む必要があります。その時のパートナー選びは非常に大事です。選ぶパートナーによって、事業展開のスピードや成功確率は断然違ってきます。

プロフィール

庄子 素史(しょうじ もとふみ)
1974年、宮城県仙台市生まれ。 (株)オリエンタルランドで8年間、テーマパークのマーケティングを職掌後、東証1部の経営コンサルティング会社、ITベンチャー企業を経て、2006年にソーシャルワイヤー(株)を創業。現在、同社取締役副社長。2011年から同社のCROSSCOOP事業を東南アジアに展開すべく、シンガポールに移住し、シンガポール、ジャカルタ、デリー、ホーチミン、マニラ事業の立ち上げと事業統括に従事。

企業情報

設立 2011年
事業内容 インキュベーションオフィスCROSSCOOP SINGAPOREの運営
URL http://www.crosscoop.biz

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URL http://www.crosscoop.biz