japan-business-headline

GLOCALIZER Co., Ltd.

フィリピンで今、最も勢いがある若き起業家のひとりと言われるGLOCALIZERの草苅氏。その人生は常に挑戦の連続であった。数多くのフィリピンに進出する日系企業を支援してきたWEBマーケティングのプロフェッショナルである草苅氏に、成功する企業と失敗する企業の共通点などを聞いてみた。(取材内容は2014年4月時点のもの)


―まず御社の事業内容を教えてください。

 弊社はフィリピンでWEBマーケティング事業と自社メディア企画&運営を展開しています。WEBマーケティング事業では、「大切なヒト(顧客)をより大切に」をキャッチコピーに、フィリピン進出される日系企業様の優良顧客づくりを支援しています。例えば、飲食業に従事するクライアントの場合、「ターゲット顧客との接点作り」「ご来店いただく為のキャンペーン」「口コミ戦略」「店舗ブランディングの構築」など、上流工程の戦略部分からマーケティングパートナーとしてお手伝いしております。そして、その戦略を実施するための制作業務(WEBサイト、モバイルサイト、アプリ開発、ランディングページ、Facebook、フライヤー、パンフレット)も弊社で担当。もし必要であれば、広告代理店の機能も弊社が行います。クライアントのマーケティングを上流から下流までワンストップで実施する事で、「結果を残す責任」を持ちながらクライアントと二人三脚で事業を進めているのが特徴ですね。

 ありがたい話ですが、口コミで仕事が広がっており、日本国内で事業展開されている企業様に対するWEB顧問も実施中です。「フィリピンでも日本に劣らない、いや、それ以上の高レベルなサービスを提供する」と謳っている弊社にとっては光栄なことです。

―そんな中、自社メディアも展開されているのですね?

 はい。フィリピン人向けに日本の商品や食べ物を「お得なキャンペーン付き」で紹介するWEBサイト「Get Chance」を企画・運営しています。フィリピン人10万人のデータベース獲得を目指し、サイト自体を拡散している最中です。親日的で“ニッポン”ブランドが確立されているフィリピンですので、立ち上げからまだ日は浅いですが、多くのレスポンスをユーザーから頂戴しております。

―なぜ「Get Chance」を立ち上げられたのですか?

 弊社では、「成果報酬型海外マーケティングリサーチ」として当サイトの運営をしています。フィリピンで事業展開中のクライアントへ「顧客を集めるツール」として活用いただくケースはもちろんですが、進出をご検討されている企業様に対しても、「現地マーケットのレスポンスが直に分かる手法」を成果報酬で提供したかった。そのため、「Get Chance」で告知したキャンペーンの反応をレポートするだけではなく、複数人を集めた座談会やテストマーケティング、ターゲットにあったサンプリングなど「オフラインでのマーケティング」も連動して展開しております。

― 仕事の関係上、フィリピン進出される日系企業様とお付き合いが多いと思いますが、最近はどんな業種の進出ケースが多いのでしょうか?

 飲食業や小売業など、フィリピン現地向けのサービス展開されるケースが増えてきましたね。ここ3年間くらいで大きく流れが変わってきたと実感しています。少し前までは、セブ島などで安い人件費を目的としたコールセンター・BPO・システム開発などの企業様が圧倒的に多かった。しかし、フィリピン経済の成長性に後押しされる形で、首都マニラなどでの売上を見込んだ進出ケースの方が多くなってきました。生産拠点から市場(マーケット)への変革期ですね。

例えば、ファミリーマートさんは店舗拡大に非常に前向きで、フィリピン国内の様々な場所で出店準備中です。また、日本の飲食店が集積しているリトル東京に訪れても、今ではフィリピン人が半分くらいの割合を占めています。3年前では想像できなかった光景です。GDP成長率などの数字ではなく、実際にマニラ在住の私が感じる実感値として、フィリピン人の生活水準が非常に伸びている印象を受けますね。