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100人中 99 人がいらないと言った 製品を日本一多くの人に売ってきた

―日本ではあまり知られていないドバイに着目するなど、人があえて進まない道を目指すのはなぜでしょう。

 私が光通信に入社した当時、日本は学歴主義で、年功序列のムードが強くありました。そんな旧態依然のシステムを変えたいと、仲間たちと頑張っていたところ、10年で本当に変わったのです。今は年齢・学歴・性別は問われなくなってきました。

 また私が社会人1年目の頃は、誰も携帯電話を持っていませんでした。その当時は、100人中99人が必要ないと言っていたのです。パソコンや電子メール、プロバイダーも同様でした。しかし気づけば、私たちは日本で一番多くの人にそれらを普及させた会社になっていました。そのときは誰も気づいていないけれど、将来はこうあるべきだというイメージを描き、新しい当たり前を作ってきたのが私たちです。

 それと同じで、海外進出支援のビジネスも成し遂げられる確信があります。10年後には、中小企業がドバイで製品を販売するのが当たり前の時代になっているでしょう。

―山本様から見て、改めてドバイとはどのような国でしょうか。

ドバイは石油や天然ガスなどの資源が少なく、農業も製造業もない国です。だからこそ、国を挙げて教育・制度・法律・空港・港などを整備し、国民全員が同じ目標を持って、ドバイを商業・貿易のハブとして発展させようとしているのです。街を歩いている人に、ドバイは何を目指しているのか聞いたら、全員が同じことを言うはずですよ。

―JTCを設立した際、サポートしてもらった方はいらっしゃいますか。

ドバイ・ワールド・セントラル(以下、DWC)という、その名の通り世界の中心を目指す国際空港都市がドバイにあります。中東最大の港「ジュベル・アリ港」に隣接し、世界最大の空港となる「アル・マクトゥーム国際空港」を抱え、2020年のドバイ万博が開かれるエリアで、世界中の人、モノ、金、情報が集まっていきます。「Connecting Minds, Creating the Future=心を結び、未来を築こう」をスローガンに掲げ、集まった人たちが良い商品・情報・人に出会うことで、地球全体を良くしていこうという考えの街なのです。私たちは、日本の子どもたちの未来のため、企業に海外進出を推奨していますが、一方で経済に関係なく、海外の人が困っていたら助けるべきだと思っています。世界中に日本の素晴らしい技術やサービス、価値観を広めることで、どの国も日本と同じくらい便利で安心安全になったら、それほど良いことはないでしょうから。

そんなJTCのコンセプトに共感し、応援して下さっているのがDWCの副社長やマネージャーたちです。彼らがいなければ、私たちはドバイで埋もれていたかもしれません。DWCのメインゲートビルの一角に拠点を構えることができ、大変感謝しています。

―自分たちの利益を追求するだけでなく、周囲の国のことも思いやるのは、何か原体験があるのでしょうか。

今思うと、私の原点はボーイスカウトにあります。活動の中で、小学校の頃から貧しい国に募金活動をしていました。世界には海も川も無くて、食糧不足に困っている国があります。そこに日本の農業の技術を持っていけば、痩せた土地にも畑を作れるでしょう。虫歯すら治せない人々に、日本の医療を展開すれば、どれだけ役に立つでしょうか。それ以外にも育児や教育や衛生管理や介護、インフラ整備など、ありとあらゆる分野で、日本は貢献できます。日本も海外から多くのことを学び、ここまで発展できたのです。それが無かったら、今頃どうなっているか分かりません。同じことを、必要としている国にお返ししてあげるべきなのです。

―最後に、ドバイへの進出支援における目標を教えてください。

100年で形にしたいですね。そのために、今いるメンバーの後輩の後輩まで、人生をかけてバトンを繋いでいきます。このビジネスで最も重要なのは人です。つまり、人材育成に99.99%かかっているのです。今、有望だと思うメンバーがいるのですが、同じような人材が1万人いれば、100年ではなく1年で実現できるかもしれませんね。そのために、これからも人材育成に注力していきます。

プロフィール

山本 康二 (やまもと こうじ)
1971年、埼玉県生まれ。1995年、株式会社光通信に入社。28歳で取締役に就任する。その後、インターネット事業部長、法人事業本部パートナーシップ事業部長、法人事業本部長を歴任。2008年には常務取締役に就任。2009年、アリババマーケティング株式会社を設立し、代表取締役に就任。2013年、グループ3社を統合し、グローバルパートナーズ株式会社に社名を変更する。2015年、MBOにより同社株式の過半数を取得。

企業情報

設立 2009年4月
資本金 1億円
従業員数 94名(2015年10月時点)
事業内容 1.グローバル化支援事業
2.ICT化事業
3.ECO事業
4.ブロードバンド事業
URL http://www.global-p.com/

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URL http://www.global-p.com/