―得意な顧客領域をはじめ、どんな悩みを抱えている企業が多いのかを教えてください。
対象は品質改善や生産性向上に課題を抱えている企業で、年商10億~100億円、従業員30名~300名規模の製造業でしょうか。10億以上の売上がある企業なら、費用に見合う効果を導き出すことは十分に可能です。それ以上の規模の会社では、特定の製品や工程に特化して品質・生産性の向上に取り組むことになります。業種に関しては、製造業における品質・生産性向上においては共通の理論(真因追究、ムダの削除など)が適用できますので、すべての業種が対象と言えます。
サービス事例としては、これまでカンボジア、モンゴルの食品製造業、エチオピアの製糖工場、製靴工場、縫製工場など、多くの企業で品質向上と生産性向上を実施しました。いっぽうで国内企業においても、海外の取引先評価や取引先の品質向上といった部分でお手伝いできると思います。多くの企業では、売上を増やしたいという声がまずあります。売上を増やすには、お客さまのニーズに応えられる機能や品質の製品を適切な価格で供給することが必要です。
また、それと同時に売上増加に伴う生産増をどうさばくかについても考えておくことが必要です。適切な価格で適切な利益を生み出せるよう、ムダなコストを削減するための対策や、設備の増設や人員を増やすことなく生産能力を増加させるのが当社のサービスといえるでしょう。
―KAIZENサービスを提供する際に留意する点はなんでしょうか。
生産設備の故障等に関しては、長いスパンで考えると明らかに製造ロスのほうが大きくなるのに、途上国の製造業ではそれを見ようとせず、目先のお金(修理費)に固執して判断してしまうことが少なくありません。このような場合、ロスの部分を定量的なデータで示し、改善を継続することで収益性があがる事実をじっくりと説明しなくてはなりません。データを蓄積し、わかりやすく示していくことを重視しています。
また現場のリーダーが必要な製造規格や基準について把握しておらず、「私が決める」といった状況で生産しているケースも多く見られます。守るべき規格や基準をオペレーターに伝え、現場に正確に落とし込んで習慣化させていくことも重要でしょうね。
―お客さまと接する上で大切にしていることを教えてください。
まずは、お客さまがなにを求めているかをきちんと聞くことから始まります。求めるものに対し、現状の方向性が正しいかどうかをよく考える。上辺の処置ではなく、真に効果のある対策を提案、実行することを重視しています。そして支援が終了した後も、お客さまが独自で改善を継続できるよう改善の進め方を示し、企業内の推進者と共に活動していくことにも留意します。お客さまにノウハウをしっかりと身につけてもらい、自主的に活動を継続していただけることが理想です。