―なるほど。今さんは根っからのベンチャーマインドをお持ちなんですね。話は変わりますが、カンボジアの外資規制について聞かせてもらっていいですか？

　カンボジアにおいて外資規制で大変だったことは何一つないです。もちろん会社登記はしなければなりませんが、人材紹介事業をするためのライセンスもありません。また、この「まだ何もないということ」を不満と捉えるのか、チャンスと捉えるのか、そこが大事だと思います。チャンスと捉えられる方にとって、カンボジアは非常に魅力的な国だと思います。

―カンボジアで日系企業が成功するポイント・失敗するポイントはなんですか？

　失敗する企業はカンボジアやカンボジア人を自分たちより下に見ている傾向がありますね。カンボジア人の方と目線が合わずに、カンボジアの消費性向や習慣がわからないので上手くいかないんです。

　逆にカンボジア人の方と目線を合わせて、一緒にいいサービスを作ろうと彼らを巻き込んでいる会社は上手くいっていますね。たとえばベトナムからカンボジアに進出してきた焼肉レストラン浦江亭さんは、カンボジア人をターゲットにして大きな利益が出ていています。カンボジア人の方にとって、決して安い価格ではありませんが、細かなサービスが評判で、上手く現地のニーズを取り込んだ例です。

―カンボジアのマネジメントは日本のマネジメントとどんな違いがありますか？

　ポルポト時代の後遺症もあり仕方のないことかもしれませんが、全体的に教育水準が低いです。ですので、その教育水準を理解してマネジメントしないと本当に苦しみますね。

―カンボジアの方は今さんから見て、どのような人たちですか？

　カンボジア人はいい人が多いですよ。大きな嘘もつかないですし、変な交渉などもしてきません。根が素直な人が多いですね。