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TAGジョブセンター

カンボジアで人材業界No.1の企業を目指すTAGジョブセンター。同社の代表を務める今氏はカンボジアの日系企業向けに人材サービスを提供している。カンボジアの人材業界を知り尽くす今氏に、カンボジア進出の成功するポイントと失敗するポイントなどを聞いてみた。(取材内容は2014年3月時点のもの)


【現地のニーズを的確に掴み、事業化する】

―まず御社の事業内容を教えてください。

 弊社のメイン事業は日系企業に対するカンボジア人の人材紹介です。もともとは日系企業に向けた求人サイトを運営していました。しかし、営業活動をした際に訪問先のお客様に「広告費はかけられないけど、日本語ができる人材を来週までに連れてきてほしい」と言われたのをきっかけに、日系企業向けの人材紹介事業にシフトしたんです。

 2013年に創業し、現在カンボジア人の人材登録数は7,500名になりました。

 登録数が伸びるにしたがい、様々な企業のニーズに応えることができるようになり、今では通訳派遣や取材アテンド、工場のワーカーさんの派遣、日本人の人材紹介、ドライバー派遣なども始めました。

―そうなんですね。今さんの起業の経緯を教えてもらえますか?

 大学時代は教育分野に関心があり、1年間フィンランドに留学しました。しかし、フィンランドではすでに教育が完成されていて「すごいな」と感じる一方、自分自身が教育分野でやる意味を見いだせなくなった。完成されている分、自分が何を成し遂げるべきなのか分からなくなりました。

 そこでもっと刺激的な世界を求めて、東京の急成長ベンチャーに入社しました。入社2ヶ月目に福岡支店に配属になり、毎日オフィスに寝泊りして働く日々でした。2年半ぐらい福岡で働き、売上も倍々成長で、会社も上場を目指していました。そんな矢先、会社から発表された来期の予算目標に愕然としました。来期の目標が今年と同じで、同時に上場をしないことも決まったんです。あれだけ頑張って働いたのに上場もしないことが決まり、私の中で急に熱が冷めてしまいました。

 そんなとき、たまたま北海道大学の先輩であった現トライアジアグループCEOの横井さんと出会い、横井さんが働いているカンボジアに遊びにいきました。横井さんは日本で経営していた会社を売却し、カンボジアで会社を立ち上げていたんです。

 カンボジアに行って、一言でいうと国自体がベンチャーだと感じました。そして、この地で以前からやりたかった教育分野で自分もチャレンジしたいと考えるようになったんです。もともと私は「人の人生を良くしたい」という人生テーマを持っていました。そして、いまの会社を起業しました。