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株式会社ブイキューブ

なぜアジアに進出したのか

―なぜ、そもそも海外に進出しようと考えたのですか?御社の事業領域は、日本でも急成長していますよね。

たしかに国内マーケットも目下急成長しています。ある調査会社のレポートによると2020年までに今のマーケット規模の約10倍にあたる1000億円までに成長する有望マーケットだそうです。しかし世界を見渡すと、すでにアメリカでは1500億円~1600億円のマーケット規模がある。

当社は7年連続で国内シェアNo.1になり、今後も国内シェアNo.1であり続けるため様々な施策を打ち続け、より既存顧客に対するサービスに磨きをかけていくつもりです。しかし、弊社のようなサービスはスイッチングコストが高く、先行者メリットが効きやすい分野でもあります。今後、日本の国内マーケットも拡大を続けますが、見逃せないのがアジアのマーケット。弊社がいち早くアジアマーケットに参入してプレゼンスをつくっておけば、アジア新興国が経済成長すれば、弊社もその成長の波に乗り、アメリカの巨大企業であるシスコシステムズに太刀打ちできるかもしれません。だから、早い時期に弊社はアジアに進出したわけです。

―なるほど。だからアジア新興国に進出したわけですね。

 2009年にまずマレーシアに進出しました。その後、タイやインドネシアにも進出しました。ちなみにシンガポールの企業は欧米企業が中心なので、すでに欧米の本社が使っているサービスを利用していたり、そもそも使用言語が英語なので、弊社としてはなかなか厳しい戦いを強いられていますが、マレーシアやタイ、インドネシアはまだブルーオーシャンなので、大きな可能性があります。逆に弊社のようなアジア発の企業の方が有利だと考えています。アジアを理解している我々だからこそできるサービスを提供しているわけです。

―ちなみにマレーシアなどのアジア新興国では、どのようにセールスしているのですか?

たとえばマレーシアでは、ふつうにテレアポをしたりもしますよ。現地のローカル企業向けに電話をかけてアポイントを取る。日本と同じですね。あと現地の営業代理店を募って、代理店による販売も実施しています。

―シンガポールに中間持ち株会社を設立したのはどうしてですか?

 アジアに多国展開するうえでハブとなる拠点が必要でした。そこで税制面で有利かつ他のアジア諸国にもアクセスが便利なシンガポールを選びました。またシンガポール政府から直々に誘致の依頼が来て、政府からの進出サポートを得られたことも大きな要因でしたね。