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ポスト・リンテル株式会社

「投資家へ安心感を提供する」ことを標榜し、2016年の株式上場を牽引するなど、前職のデュアルタップ時代から投資用不動産のプロフェッショナルとして活躍してきた坂東氏。自ら現地に出向き開拓した海外不動産事業を収益の柱のひとつに育てるなど、バイタリティあふれる手腕で同社を日本有数の投資用不動産デベロッパーへと押し上げた。その坂東氏が2018年に独立し、ポスト・リンテル株式会社を設立。アジアの富裕層向けに日本の投資用不動産を提供するビジネスを精力的に展開している。


―まずは、事業内容を教えてください。

 主に台湾や中国、香港、シンガポールなどのアジア圏の投資家に対し、日本の不動産を提案して販売・管理などを行っています。
 世界的なトレンドを見極めたうえで、日本の不動産をアジアの富裕層の方に提案するビジネスに高い専門性を有しているのが強みです。
 扱う物件は、マンションをはじめオフィスやホテルなど多岐に渡ります。最近は既有の海外不動産を売却して日本の不動産と資産を入れ替えるサービスも増えており、あらゆるニーズに応えるトータルサービスを提供しています。

―坂東さんが不動産業界に入ったのはいつですか。

 私は中学を卒業後、16歳のときに単身で渡米、現地の高校に入学しました。帰国後、さまざまな仕事を経験したあと、不動産業と出会ったのが28歳のとき。地元の先輩が始めた不動産の仕事を手伝うことでスタートしたのが最初でした。
 私は当時、不動産に関してはまだ素人で、先輩からは「金勘定だけやってくれればいい」という話で立ち上げに参画したんです。ただその会社は、初年度の売上が1億2千万で粗利が約500万。社員は15~16人いるのに大赤字で立ち行かなくなってしまい、解散を余儀なくされました。
 そのとき、自分に十分な不動産の営業ノウハウがあれば、会社が頓挫することもなかったのに…という悔しさがありました。一生懸命がんばっていた社員が多かっただけに、余計にそう感じたんですね。自分の力のなさを痛感するとともに、このままでは終われない…という想いが強く残ったのです。

―その後、どうしたのですか。

 不動産の仕事自体は未熟でしたが、業界の経営者との人脈は広がっていて、ありがたいことに、私自身は多数の名のある不動産会社から「一緒にやらないか」と好待遇で声をかけてもらったんです。
 どの会社も部長職などの役付きで、報酬も驚くような条件でした。ただ自分としては、前職の会社で社員を守ることができなかったという想いがあり、良い話も素直に受け入れられずにいたんですね。
 そんなときに、当時まだ社員が5名ほどの新興の不動産会社の社長が、同じように声をかけてくれたのです。その社長の話は、ほかとは大きく違っていました。
 「君に本当に力があるのなら、自分で成果を出して上がっていけばいいはず。いま君はいろんな会社から誘われて、良い話がたくさんあるかもしれない。でもこのままだと必ずメッキで終わる。本当の実力をつけるために下積みを積むべきじゃないか」という話だったんです。
 私はハッとしました。一番小さく、もっとも条件の悪い会社でしたが、「わかりました。お世話になります」とその場で返事。いま思えば懐かしく、11年前の2007年のことでしたね。