日本人がシンガポール進出で成功するには
アジア最大級のレンタルオフィスとしてシンガポール、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピンで事業展開するクロスコープ。同社はオフィススペース貸しだけでなく、入居企業への付加価値として進出サポートなども提供している。今回は同社の庄子氏にアジアビジネスのハブとしてシンガポールに進出するメリットなどを聞いた。(取材内容は2013年9月時点のもの)
【アジア最大級に日系レンタルオフィス】
―まず御社の事業内容を教えてください
アジア最大級の日系レンタルオフィスとして、シンガポール、インドネシアのジャカルタ、インドのデリー、ベトナムのホーチミン、フィリピンのマニラの5か国でレンタルオフィス事業を展開しています。利用企業様としては、8割から9割が日系企業さんですね。PC1つを持参していただくだけで、すぐに事務所を開設することができる体制を整えています。
また弊社が特徴的なのがインキュベーションの機能。東南アジアビジネスに詳しい専門スタッフが日々、入居企業様のビジネスについてのアドバイスや実行支援などをしています。
―たとえばどんなサポートをしているのですか?
顧客紹介に始まり、なかなか繋がることができない政府組織へのご紹介などもしたりしています。シンガポールでは、関(せき)というシンガポール政府の商務官だった者が弊社の役員として常駐しています。アドバイスとしては、税制面などのビジネスに関することから、生活面のアドバイスまで行っています。
―シンガポールの入居企業はどんな業種が多いのですか?
やはり一番多いのはITですね。全体の30%くらいでしょうか。次に製造業が20%、士業などの専門サービスが15%、食品飲料関係が10%、飲食業が5%、残りが商社やコンサル系ですかね。
ちなみにシンガポール以外の4拠点だと、半分強が製造業になります。シンガポールは土地柄すこし特殊ですね。
―全5拠点の中で日本企業のお問い合わせが多いのはどの拠点ですか?
やはり依然シンガポールのお問い合わせを多く頂いていますね。その次にインドネシアのジャカルタです。
―シンガポールに進出する企業が多いのはなぜですか?
シンガポールは外資規制がないので、会社設立も比較的スムーズにできます。はじめて進出するアジアの国として適しているのだと思います。
アジアでのビジネスはただでさえ不確定要素が多いので、外資規制がなく自由競争が保障されているシンガポールは魅力的ですね。日本企業でも公明正大に勝負ができますからね。弊社自身もレンタルオフィス業として、まずシンガポールに進出しました。その後に、シンガポールの実績をもとにしてアジア新興国に展開していった形です。