ベンチャーでガムシャラに働いた経験が、起業へと繋がる
―元々、投資家を目指されていたのですか。
いえいえ、そんなことはないですよ。私は大学卒業後に外資系大手企業へ就職したのですが、安定したビジネスマンとしての将来像よりも、新しいことにチャレンジし続ける環境に興味を持つようになりました。そんな時、知人より創業1年目のベンチャー企業・ゼイヴェル(現:株式会社ブランディング)の経営者を紹介され、そのご縁がキッカケで転職することに。システム部・広告部・コンテンツ部の部長を兼任しながら、会社に寝泊まりするような激しい日々を送りました(笑) 2000年~2004年の5年間在籍し、本当に忙しい毎日でしたが、同時にすごく楽しかったですね。
ゼイヴェルでは、女子のためのトレンドサイト「girlswalker.com」の立ち上げや、日本最大級のファッションショー「神戸コレクション」でのイベント企画など、たくさんの事業を仕掛けていました。神戸コレクションでは、モデルが着ている服を、観客がリアルタイムでネット購入できる「リアルとバーチャルを掛け合わせた企画」にも挑戦し、日本初の取り組みとして注目されました。ヒット商品を生み出していく過程で、徹底的にユーザー目線に立ちながら商品を作り込んでいくことの大切さを学んだ4年間でした。
―その後、起業されたのですね。
はい。ゼイヴェル卒業後は、これらの経験を基に、自身で起業して複数のサイトや商品を立ち上げ、ある程度の成功を収めたタイミングで事業を譲渡してきました。そして、最終的に株式会社DBSを設立し、現在は、シンガポールと東京の2拠点をベースに活動しています。
―海外でビジネスを始めるキッカケは何だったのですか。
旅行が好きで、2000年くらいからアジアをよく回っていました。色々な国を訪れる中で、アジアでのビジネスチャンスが大きいと感じていましたね。人気のある飲食店で食事していても、原価・座席数・客単価・回転数・売上などを分析してしまうのですが、やはりまだまだ荒い部分が多い。そのため、需要の高さにサービスの質が追いついていないアジアで、色々とトライしてみたくなったのがキッカケですね。そして、WEBサービスをシンガポールで立ち上げました。
―シンガポールを選んだのには、何か理由があるのでしょうか。
シンガポールは金融国ということもあり、ヒト・モノ・カネが集まる特性があります。特に、弊社のようなコンサルティングや投資を主業務とする会社にとっては、ヒトが集まるというのは重要なポイントですね。成功者も非常に多く、日本では滅多に会えないヒトにも、シンガポールなら出会えることは日常茶飯事です。また、私がコンサルティング業務でお付き合いしている日本企業もどんどん海外進出していますので、シンガポールをベースにアジア各国での現地サポートができる立地的メリットも、シンガポールが持つ大きな魅力の1つです。