口を出す投資家ではなく、経営者の成長を見守る投資家でありたい
―複数回の起業を通して多くのビジネス経験をお持ちの土橋様ですが、投資やコンサルティングを行う時に、心掛けていることはありますか。
クライアントの業務内容にもよりますが、経営者がまだ若い場合には、いい意味で早めに失敗体験を積ませてあげたいと思っています。ベンチャーの経営者が自立するためには、経営者自身がしっかりとした知識を身につけた上で、人間性も磨いていく必要があります。そのため、サービスや組織を作り上げていくプロセスで多種多様な決断を自身で行い、うまく行かなかったときは、なぜ失敗したのかを徹底的に内省してもらうことを心掛けています。コーチングのような形で経営者に寄り添い、彼らが自身の実力を客観視し、成長の必要性を感じ、地に足つけて事業を伸ばして行ってもらう。そんなサポートが私の役割かなと。もちろん、大きな借金を抱えるような大失敗に繋がる可能性がある場合は、事前に防ぐお手伝いをしますが。
基本的によい時もわるい時も、しっかりと振り返る機会さえ設けていれば、彼らの成長の糧になると考えています。そのため、できるだけ口を出さずに見守っていくスタンスを大事にしています。
―投資家はお金と一緒に口を出すイメージでしたが、土橋様は真逆のスタンスなのですね。これらの姿勢は、土橋様の経営理念と関係しているのでしょうか。
そうですね。弊社の理念は、「関わるすべての方に喜んでもらう」ということ。基本的に、私は少人数でビジネスを行うため、ビジネスパートナー達ともファミリーのような関係性でお付き合いするこが多々あります。単なるビジネスの繋がりだけでなく、仕事以外の話をしたり、プライベートでも積極的に交流したり。結果的に、こういう付き合いだからこそ、信頼関係を築けるのだと考えています。またいつも考えているのが、人生は有限だということ。80年間生きるとして、残りの人生の中で何ができるか。優先順位をつけて人生設計を行うようにしています。その考えを周囲のビジネスパートナーにも伝えて、皆で豊かな人生を送れればと思っています。
―最後に、今後の展望を教えてください。
日本国内でも海外でも、「その国で一番になりうる事業か否か」が大事だと思います。少なくとも、私は二番手のビジネス展開に興味はなく、No.1を狙えるポテンシャルの事業や商売を応援していきたいです。また、アジアだけでなく、欧米・欧州など日本よりも先進国となる市場で挑戦したいですね。
プロフィール
1973年7月生まれ。1995年に東京電機大学工学部を卒業、外資系大手企業に入社。2000年、株式会社ゼイヴェルに入社。 「girlswalker.com」のプロデューサーを務める。2005年 株式会社Style1 代表取締役に就任し、クロスメディアのコンサルティングを中心に事業展開 。2012年10月、株式会社サティスファクションギャランティードジャパン代表取締役COO就任。現在は株式会社DBSの代表取締役などを務める。