―お客様が抱えているニーズは、具体的にどのようなことなのでしょうか。そして、御社が提供しているソリューションはどのようなモノになりますか。
排出事業者から出る廃棄物は、基本的に「リサイクルすることで新たな資源・エネルギーに循環させること」が重要なポイントです。つまり企業は、日々の廃棄物排出を抑制しながら、有効利用できる廃棄物を有価物としてリサイクルに結び付けていくテーマを抱えています。
このような資源循環のサイクルを、廃棄物管理システムの構築によって実現していくことが当社の業務です。それは、廃棄物の排出業者である川上の部分と、処理業者である川下の双方を管理システムによって繋ぐ当社だからこそ可能なソリューションと言えます。
各企業様にとって、どの拠点からどんな廃棄物が排出され、適切な処理によってどのような有価物にリサイクルすることが可能になるのか。1社ごとの細かなデータ管理や分析を行いながら、排出事業者と処理事業者を有効にマッチングすることによって優れた資源循環を可能にするのです。
―具体的に御社がどう関わることで資源循環を実現していくのですか。
排出事業者からどれくらいの廃棄物が排出され、最終的にどのように処理・リサイクルされるかは、すべて追跡された上で国や自治体に報告されます。リサイクルの流れや仕組みは法律で細かく定められていて、それに沿うように、廃棄物が適正に循環するための管理システムを請け負っているのが当社です。
つまり、我が国の資源循環に基づくルールや仕組みに則って、有害物はコンプライアンスに従って適切に処理し、有価物については再利用に回していく。そのプロセスを円滑に進め、データを有効利用しながらリサイクル率を高めるための業者間のマッチングを行っていくことが、資源循環を創り出す当社ならではの事業活動ということになります。
そして私たちは、業者向けにデータ分析・業務システムの提供をするだけでなく、事業の第2段階である現在は、産廃業界全体のIT推進に取り組んでいます。具体的には、業界共通のコンプライアンスに準じた電子契約システムの作成や、廃棄物ごとにリサイクル管理するシステムなどを構築している最中です。
更なるステップの第3段階では、社会全体のIT推進も視野に入れています。福島の除染廃棄物中間貯蔵システム、バイオマス燃料、フロンガストレースシステムの構築など、社会全体のインフラ整備にも寄与したいと思っています。
廃棄物業者の川上・川下の一貫した管理システムを担っている当社だからこそ、業界や社会全体の新たな環境インフラ整備にまで視野を広げていける。このように、点を面に広げ社会全体の資源循環を創り出すことが、当社が進めたい事業なのです。
―ビジネスのポテンシャルはどのように考えますか。
産業廃棄物業界はかつてのイメージとは大きく変わり、今では社会貢献性の高い有望事業として今後の成長に大きな期待を寄せられています。その中で、基幹システムのナンバーワンシェアを当社のような100名程度の企業が担えるなど、他の産業ではなかなかありません。
この業界は日本において最後発で成長・変化をしている産業であり、その真ん中でビジネスを展開できるのは非常に魅力的です。グローバルな視点で見ても、これからアジアへとマーケットは確実に広がります。日本の企業の産廃物処理技術は圧倒的な品質がありますから、それを管理運営するシステムも今後いっそう必要になってきますね。