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カケハシ コンサルティング

2015年のASEAN統合に向けて注目を集めるメコン経済圏。そのメコン経済圏の中心に位置するのは、長い内戦から復興を遂げたカンボジア首都プノンペンだ。この首都プノンペンに拠点を構えて人材サービスをメインに日系企業の進出支援を手掛けているのが今回取材したカケハシコンサルティング。同社代表の小川氏にカンボジアビジネスの実情を聞いた。(取材内容は2013年11月時点のもの)


【プノンペンに拠点を構えてメコン経済圏をカバー】

―まず御社の事業内容を教えてください。

 東南アジアの中心に位置するカンボジア首都プノンペンに拠点を構えて、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマー、タイも含めた範囲で日系企業向けに人材採用や現地進出のお手伝いをしています。また現地進出を検討中の企業様には様々な目的に応じた現地視察ツアーもプランニング、ご案内しています。

―御社はカンボジアの日本語人材の採用支援サービスなどもされていますが、実際どれくらいの日本語人材がカンボジアにいるのですか?

 正確な数字は分かりませんが、常設で日本語を教えている大学はプノンペンに3校あります。王立大学が2校で、私立大学が1校です。私立の日本語学校もあるのですが学生募集は苦労しています。そもそも経済的に日本語を学べるカンボジア人が少ないんです。

 ですので、私たちは日本語を学ぶカンボジア人を増やすことから始めています。「カンボジア学生カケハシプログラム」と題して、日本企業が私立カンボジアメコン大学日本語ビジネス学科に就学する学生の学費を支援するという奨学金プログラムを始めました。視察ツアーなどで訪れた日本企業が支援に賛同してくれて、2012年に6口、2013年には4口の奨学金が集まりました。1口の金額としては4年間の学費で3000米ドル、日本円で約30万円です。このようにして、まず日本語人材を増やすところから弊社は始めています。

―日本企業のカンボジア人の求人ニーズは高くなってきていますか?

 徐々に高くなってきていると思いますね。弊社もカンボジアの大卒人材を日本企業に紹介するビジネスも手掛けています。数は少ないですが、3年後や5年後を見据えてカンボジアに進出検討中の日本企業が採用を始めています。たとえば日本で3年間ほど研修して、母国のカンボジアの事業立ち上げを担う人材を育成するというような感じですね。

【外資規制のないカンボジア】

―ここ最近の日本企業のカンボジア進出熱はどうですか?徐々に進出企業は多くなってきている印象ですか?

 倍々のペースで日本企業が進出してきているような肌感覚ですね。大手も中小企業も合わせて進出が本格化してきています。

 カンボジアでは会社の設立が約1,000米ドルで出来ます。外資規制もなく、100パーセント日系資本で設立が可能です。また国としても親日的ですし、立地的にもタイとベトナムの間に位置しており、タイなどに進出している日系企業からすると「プラスワンの1国」として有効なのでしょう。

 また日本の大手小売りのイオンさんが、2014年に進出してきます。それにあわせて日本企業の進出もすごく増えました。特に外食が増えましたね。