各国首脳が集まる国際会議でも環境問題が議題となるいま、持続可能性を保持しながら資源やエネルギーを再利用していく「循環型社会」を創り上げることが大事だと言われている。そんな環境下、産廃物の排出から処理・リサイクルまでの物流管理をITシステムで整備することに成功。業界シェアNo.1にのぼりつめたIT技術者集団がエジソンだ。小型精密計量器のデータ処理をしていた小さな企業が、どのような変革を繰り返し、業界トップシェアを勝ち取ったのか。そして、新たな挑戦として位置付けるグローバル展開をどう推し進めて行くのか。同社代表の須永氏に語ってもらった。
―事業内容を教えてください。
当社は「環境×IT」を軸に、日本の廃棄物管理を適正健全化することを目指しています。私たちの業界では、資源を採集・加工し、製品として製造・流通・販売する一連の流れを「動脈物流(動脈産業)」。それに対して、生産・消費活動から排出・廃棄される不要物を回収し、再生利用・再資源化したり、適正に処分する流れを「静脈物流(静脈産業)」と呼んでいます。
この静脈物流の中で、資源を円滑に循環させ、社会の心臓である「生産」へ戻すシステムを構築することが当社の社会的使命です。
具体的な商品としては、動脈産業に属する企業が排出した廃棄物の総合管理・コンプライアンス管理を行うASPサービス「GENESYS-ECO」と、静脈産業に属する廃棄物処理業者やリサイクル業者向けの業務効率化システム「将軍シリーズ」を展開しています。
―それらの商品が業界シェア1位なんですよね。
はい。有難いことに現在、「GENESYSECO」は製造・サービスの分野でトップの導入実績があり、「将軍シリーズ」も金額ベースでは圧倒的なトップシェアです。日本を代表する自動車・製鉄メーカーや飲食サービス業、また産廃物処理のプラントを有するような大手企業に多く導入いただいています。
―御社が支持されている理由や強みは、どこにありますか。
システムやソフトウェアの開発・販売・運営までをワンストップで担える点が挙げられます。そして、産業廃棄物業界の排出事業者から処理業者までの、いわゆる川上から川下までの資源循環を一貫管理できるシステムを有していることが大きな強みですね。
また、システムの提供だけでなく、産業廃棄物管理の業務全般をアウトソーシングいただき、当社が一括で業務を請け負うBPOサービスも支持いただいています。産廃処理に関する法律が変化を続ける中、コンプライアンスを重視し、変化に即応しながら適切な排出・処理を管理していくことは難易度の高い作業です。
一方で、廃棄物管理は生産・サービスの本業とは切り離しやすい部分であり、専門的なノウハウを有する当社にアウトソーシングいただき、お客様は本業に専念することができます。
「システムの開発~販売~運営までを手掛けるワンストップサービス」「産業廃棄物に関して、排出から処理までの管理システムを提供できる一貫戦略」。そして、「業務自体を一括でアウトソーシングできる体制」が、他社とは決定的に異なる当社の優位性ということができます。