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すべての飲⾷店に、テクノロジーがもたらす豊かさを。 TORETA ASIA PTE LTD 最高執行責任者 小島 英恵
TORETA ASIA PTE LTD

すべての飲⾷店に、テクノロジーがもたらす豊かさを。

TORETA ASIA PTE LTD

最高執行責任者 小島 英恵

ーアジアでの御社の事業内容について教えてください。

弊社は、株式会社トレタ(代表取締役:中村仁)が開発した、飲食店向け 予約/顧客台帳サービス「トレタ®」をASEAN諸国の飲食店に販売する総合販売代理店です。2016年に、株式会社トレタの100%子会社としてシンガポールから販売を開始し、現在ではASEAN 7ヶ国に販売網を拡げています。(2018年には役員陣でMBOを実施。現在は、株式会社トレタとは資本関係のない海外の総合販売代理店の位置づけになっています。)

ここまで各国の飲食店の皆さまにスムーズに拡大することができたのは、「トレタ」アプリの開発当初から拘ってきた”シンプルなUI”と、様々な国籍のスタッフさんにもすぐに馴染んでもらえる”使いやすさ”にあると考えています。実は「トレタ」は飲食店の予約管理システムである以上に、現在の空席情報をタイムリーにネット上に公開することでダブルブッキング等トラブルのない、リアルタイムオンライン予約システムでもあります。

また、フードメディアや自店サイト、SNSなど、多岐に渡る予約ルートをお手元のiPad一台で一元管理できるのも「トレタ」の強みと言えます。店舗オペレーションの効率化のみならず、空席率を下げる事で売上向上にも効果があることが多くの飲食店に支持して頂いている理由だと考えています。

さらに最近では、その店舗の予約データを分析することでもっとも有効な予約経路情報を店舗にフィードバックするサービスも開始致しました。日々、多方面から入ってくる予約を一元管理し分析することができる「トレタ」ならではのサービスであり、飲食店が集客拡大する際のマーケティングデータとして活用頂いています。スタートアップやIT企業の移り変わりが激しいのもASEAN諸国の特徴といえます。1つの商品、サービスの提供だけなく、顧客からその時に求められているニーズに対して、自社の強みを活かしながら応えていきたい、という思いから始まったサービスです。ASEANで”生き残るため”には、そういったスピーディーかつ柔軟な進化が必須だと考えています。

ーアジア展開を決めた理由や、これまでの経緯について教えてください。

マクロ的には、「トレタ」がシンガポールに進出した2016年においては、日本国内の外食産業は飽和状態にあり、産業全体の売上規模は少子高齢化の影響もあり減少の一方でした。その一方で、ASEAN諸国の外食市場規模は年々急激に拡大しており、将来的には日本の外食市場と肩を並べるまでに成長すると予測されていました。

株式会社「トレタ」代表の中村自身が飲食店オーナーという事もあり、飲食業界全体が抱える構造的な課題、個々の飲食店の抱えるオペレーション上の課題、特に”IT化の遅れ”に大きな危機感を感じていました。その課題解決策の1つとして2014年にデビューしたのが「トレタ」なわけですが、米国発のレストラン検索メディア連携予約システム「Open Table」が米国内にて市場シェアを伸ばし、当時、飲食店の”オンライン予約の夜明け”と呼ばれるタイミングでもありました。 

「Open Table」とは異なった価値を飲食店に提供できるはず、日本のみならず海外、特に外食文化の成長著しいASEANでもその価値を拡げていきたい、という思いから中村がシンガポールの門を叩き、現地にてToreta Asia前代表白石との出会いを果たしたのがASEANでの事業のスタートとなります。

ーこれまでのアジア市場での実績について教えてください。

現在シンガポールをHQとして、台湾、マレーシア、タイ、ベトナム、香港、インドネシアに進出しています。台湾は弊社子会社、マレーシア、タイに関しては現地企業さまと販売パートナー契約をさせて頂き、それぞれセールスチーム・CSチームを設け販売および顧客フォローを行っています。

ベトナムは日系飲食店の進出が拡大しており直子会社の設立進出を検討していましたが、その後新型コロナウィルス拡大の影響により、現在はまだリモートで営業活動を行っています。各国、新型コロナウィルス下で厳しい状況に置かれている飲食店が多い一方で、実は廃業したレストランを安値でテイクオーバーしたり、機材を譲り受けたりして、開業資金を抑えられる事を好機と捉え、新規にレストランをオープンさせる企業さまも増えています。

最近の傾向として、店舗オープン直後に広告費を多くかけずに、オープン後じわじわファンを増やし固定客獲得に重きを置いた経営戦略が多く見られるため、より店舗の”顧客管理”の重要性が増しているようです。そういった新規オープン店からのお問い合わせや、既存好調店の増店ニーズから、おかげさまで昨年来「トレタ」の契約数は125%を記録しています。

ー今後アジア進出を考えている経営者へのアドバイスをお願いします。

これはアジア諸国に限らない話だと思いますが、まずは自分たちが何を提供しているのか、それは誰にどんな価値をもたらすのか、を見誤らない事は非常に重要だと思います。自分たちのサービスを過信しすぎると大きく失敗します。また、アジア市場は日々めまぐるしく変化しますので、市場が変化するのであれば自分たちも変化し続けないといけません。

恐らくアジア進出をした企業のほどんどは、一度は失敗や経営難を経験していると思います。もちろん弊社も例外ではなく、厳しい時代もありました。それでも、自社サービスの強みと日々変化する現地マーケットを学び続け、仮説と実行を繰り返して、あとは勝つまでやりきる、それしかないと思います。

―最後にアジア市場での今後の展開や、ビジョンを聞かせてください。

新型コロナウィルスの影響で「近い将来飲食店はなくなるのでは・飲食店の未来は厳しい」などと言われていますが、我々はそうは思いません。デリバリー市場は確かに急成長しましたし今後も進化していく事が予想されていますが、飲食店で実際に食事をするという”体験”と、持ち帰り/デリバリーで食事を”済ませる”のでは、利用目的が全く異なります。もちろん飲食店自体も、顧客ライフスタイルの変化に応じて”進化”しなくてはならず、加えて今後予測されている、加速する人手不足や食材等のコストの高騰、新たな課題に向き合っていかなくてはなりません。

弊社は、弊社サービスの主軸である「予約・顧客管理」に関しては、ベトナムへの本格進出を含む新規エリア開拓は継続して行い導入店800店舗を目指します。同時に、ASEAN地区の飲食店に”テクノロジーがもたらす豊かさの提供”を追求するために、新商品・新サービスには常にアンテナをはっておきたい、と思っています。

  • 台湾Executive Sales Manager 陳

    台湾Executive Sales Manager 陳

  • 『トレタ』ホーム画面

    『トレタ』ホーム画面

  • シンガポールオフィスからの景色

    シンガポールオフィスからの景色

プロフィール

小島 英恵

経歴

1992年
埼玉県生まれ
2013年
フランス・リヨン留学
2015年
武蔵大学卒業
2015年
MARUSAYA SINGAPORE PTE LTD 入社
2016年
TORETA ASIA PTE LTD 入社

会社概要

経営理念 「予約」×「テクノロジー」で外食産業に多くの可能性をもたらす。
目標 各国導入店舗200店舗を達成させる。
事業内容 ・予約/顧客管理ツール『トレタ』販売
・飲食店ECプラットフォーム『BITE!JAPAN@Home』運営
・ITコンサルタント
・ウェブマーケティングコンサルタント
進出国(進出予定国)
シンガポール
台湾
マレーシア
タイ
ベトナム
香港
インドネシア

所在地(日本) 無し
資本金 2.5億円
従業員数 5人 (2021年7月現在)
サイトURL https://toretaasia.com
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